『衝動への対処法』のページです。

過食の原因と仕組み

衝動への対処法

過食衝動が起きた時に対処する方法があります。

私が向かい合ってきた人達は最初ここに来てからの数日から1~2週間の間は
過食衝動が起こらないパターンが多かったです。
それは普段と違う場所であるということ。
まわりに人の目があるということ。
そういった状況が衝動を起こさせない要因であると思います。
その間に無意識の仕組みや思考パターンのことを学習しておくことが大事です。
過食衝動に耐えながら新しいことを学ぶのは労力がいりますから。

しばらくは衝動も起きずに生活が続きます。
しかし、ほとんどの場合にその時はやってきます。
問題はその時にどう向かい合うかです。

その時に隠れて食べる人達は過食をやめることができません。
それは衝動に向き合うことがないからです。
衝動に流されることと向かい合うことは違います。

この間、ある人が朝から調子が悪くてひとりソファーで座り続けていました。
何をしている時も黙ったままで元気がありません。
夜になって声をかけると…
涙を流しながら「もう限界。我慢できない」とつぶやきました。
彼女はその日ずっと過食衝動に駆られていたのです。

「どうしたいの?何が食べたいの?」
そう聞くと、
「ジャンキーなものが食べたい。いっぱい、いっぱい食べたい」
そう言って泣き続けました。

その彼女と私は話をしました。
いったい本当は何を求めてるんだろう。
それは本当に身体が求めている欲求なのかな?
本当に心の奥底で満たしたがっているものは何だろう。
そういった内容を問い続けました。

そして30分。
彼女の求めていたもの。
それは愛情。
原点は母親からの愛情。
ひとりぼっちの寂しさと自分を理解してほしいという願望。

それが本人に明確になった時に、私は料理を始めました。
鰹だしと白みそで作った京風お雑煮。
それを彼女の見ている前でていねいに作りました。

お雑煮の汁を二口ほど飲んでお餅にほんの少し口をつけた後。
彼女は言いました。
「うそ!お腹いっぱいになってる」
たったそれだけで彼女は満足してしまいました。
汁とお餅をほんのちょっと。
それだけで衝動はウソのように消え去りました。
その後数日間いっしょに過ごしていた別の女性数人にハグしてもらいました。
彼女は号泣しながら抱きしめてくれたみんなに感謝していました。

そして気づきました。
今まで抵抗することができないと信じ込んでいた過食衝動。
でもそれはけっして超えることのできないものではないと。
それはけっして食べ物でもましてやジャンキーなものなんかではないと。


過食衝動の後ろに隠れているものはけっして肉体的食欲ではありません。
私を満たして…もっともっと満たしてほしい…
と叫ぶ続けているのはけっして肉体ではありません。
ましてや食べ物ではありません。
わざわざ身体に悪いものを欲しがる自傷行為的なものが本質ではないのです。

今まで何度もこういった体験を繰り返してきました。
時にはお味噌汁一杯で。
時には全粒粉のパスタ30gで。
時にはカフェラテ一杯で。
 
過食衝動が見事に消え失せます。
 
もちろんそれですべてが終わる人達ばかりではありません。
数日後また衝動が起こる時がやってくる人のほうが多いと思います。
しかし何度かそれを繰り返したのち。
今度は何の食べ物もなく衝動が消える体験をします。
そしていずれ自分ひとりの力で衝動を乗り越える瞬間がやってきます。



大切なことは。
自分の奥底にある抑圧を見抜く目です。
隠された感情と想いを見抜く方法を身につけることです。
そして立ち向かう勇気です。

心と身体の仕組みと方程式を理解しておくことが必要です。