過食は身体の欲求ではありません。奥に隠された原因と理由があります。

過食の原因と仕組み

無料通信大8回原稿の紹介です。

ヒプノセラピーによって明確になった思考パターン。

あくまで個人的な原因と思考パターンですが、参考にしていただきたいと思います。

 

第8回~ある人の場合

前回はヒプノによって潜在意識から情報の受け取りが可能になるということを伝えしました。
今回はヒプノによって過食の原因となった出来事や思考パターンに気づいたという例を紹介します。


ヒプノとは無意識にアプローチすることによってトランスへ誘導する技術です。
そしてトランス状態に誘導された後にさまざまな光景が見えてきます。
もちろん人によって差異はありますし、初めてのセッションで視覚情報として受け取るのは5人中4人くらいです。
視覚として受け取れなくても触運動覚や聴覚で受け取る人もいますからセッションは可能です)

ある人はトランス状態になった時に胸のあたりにまるで異物が入り込んでいるように感じました。
「その異物のようなものはどんな質感ですか?硬いものですか?それとも煙のようなものですか?」
そう問いかけると彼女は
「なんだか柔らかい…煙のようなものを感じます」
そう答えました。

さらに私が問いかけました。
「それはどんな色をしてますか?」
「黒色です!黒い煙ようなものが胸の中に渦巻いてます!」
質問の度に感覚がリアルになってそれが視覚化してきています。

さらにそこに意識を集中されたまま、彼女の潜在意識にそれが彼女の胸に生じた出来事、その時代へ導くように語りかけました。
そしていくつかの数を数えて彼女の意識をさらに深くトランスさせます。
「自分の手を見てください。今と同じくらいの大きさですか?」
そう問いかけると、
「小さい、もっともっと小さい子供の手くらいの大きさです」
「では、その手を上に見ていきましょう。どんな服を着ているか見でください」
彼女が即座に応えます。
「制服を着ています。幼稚園の頃の…幼稚園の時の私が見えます!

目を閉じて背もたれを倒した椅子でくつろいだ格好のままの彼女には映画を見ているように光景が見えています。
無意識下に忘れ去られていた過去の記憶です。

「幼稚園の頃のあなたはどんな顔をしていますか?」
「悲しそうな顔をしています」
「それはどうして?周りに誰かが見えますか?」
「先生がいる… でもお友達は誰もいない」

実は彼女が見ていたのはお母さんのお迎えを待っていたある日の記憶だったのです。
他の園児がみんなお母さんに迎えに来てもらって帰ったあとにただ一人取り残されていた彼女がいました。
まるで自分だけ置き去りにされたような…

そんな想いでいっぱいになったまま今にも泣きそうな顔をしている彼女。
たまたまその日だけがそうだったのか、それとも頻繁に起きていたことなのか。
それは彼女にはわかりませんでした。
しかし彼女にとっては非常に不安な恐ろしい体験だったようです。

もう二度とお母さんは迎えに来てくれないんじゃないか…
自分は捨てられてしまったんじゃないか…
幼稚園時代の彼女の心を今の彼女に感じてもらうと、胸の中は強烈な怖れと不安が渦巻いていました。

それが今も彼女の胸の中にある黒い煙ができた瞬間でした。
そのことによって彼女は強度の不安症と自信の無さによって長く苦しんできました。

今の自分からすれば、単にお母さんが忙しくてお迎えが他の子達より遅くなっただけのことです。
もちろんお母さんは迎えに来てくれたこともよく知っています。
お母さんに事情があったことだと簡単に想像がつくことです。

でも、その当時の自分にはわからなかったのです。
その当時は耐え難い怖れと不安な時間だったのです。
まるでいつまでも永遠に続くかと思われるほどのことだったのかもしれません。

トラウマとは実はこんなものであることがほとんどです。
始まりはほんのささいな出来事だったということのほうが多いのが現実です。

今の自分からすればたいしたことではないのです。
しかし無意識下にそれを握りしめている。
その当時の感情とそれに見合う思考パターンを焼き付けていたりする場合があります。
何十年も延々と。


実際に彼女は中学時代より拒食になってその後過食になって。
8年以上もの間、入退院を繰り返していました。
そしていつも思ってました。
「お母さんが早く迎えに来てほしい…」

無意識にある思考パターンは状況と出来事を引き寄せます。
そのドラマを作り出すために過食症や他の病気さえ作り出すことがあります。

彼女の場合は母親に自分を見てほしい、心配してほしい、私のことを考えていてほしい…
そんな無意識下の欲求が摂食障害という病気で苦しむ自分を作り出していた隠された目的でした。

誰も自分が感じたくない、見たくない苦しみの原因と向き合うことには抵抗があります。
まるで自分が立ち向かえない巨大な苦しみにさえ思えてきます。

けれど勇気を持って見つめてみると理解できます。
それが今の自分にとってはほんの小さな小さな出来事であることを
けして自分が乗り越えられないような大変な出来事ではないということが。

だからこそ勇気を持って自分と向き合ってみてください。
本当の核心は意外と小さなことであることがほとんどです。
今の自分なら乗り越えられることがほとんどです。

そんなことに振り回されて過食したり引きこもったりすることのほうが何倍も何十倍も苦しいことです。