第36回~痩せたい願望と過食
過食や過食嘔吐に苦しむ人に共通のことがあります。
極度の痩せたい願望です。
もちろんすべての人がそうだというわけではありません。
ストレス発散のために食べ過ぎる人もいれば習慣的に食べる量が多い人だっています。
しかし、極端に食べたり食べなかったり、延々と続くダイエットとリバウンドに苦しんでいる人達。
そのほとんどの人が強すぎる痩せたい願望を握りしめています。
そしてそれに翻弄されています。
今まで多くの人の過食改善に関わってきました。
その人の過食が改善されるのかそれとも治らないのか…
その試金石となることのひとつが極度の痩せたい願望を手放せるかどうかです。
それぐらい強すぎる痩せたい願望は改善への障害となります。
どうして痩せたいという気持ちがそこまで足を引っ張るのでしょうか?
過食というまるで正反対の行為を誘発してしまうのでしょうか?
それには無意識層にあるシステムとプログラムが関わっています。
人間の無意識層は頭とは違います。
頭で考えていることとは別の原理で働いています。
簡単に言うと、無意識層は最も注目を集めていることを実現しようと働きます。
「なら当然痩せるはず。だって私は痩せることばかり考えているんだから」
そんなふうに思う人もいるでしょう。
しかし無意識層では違うことに焦点が合わされています。
それは、太ることへの恐怖です。
太りたくないという強い恐れです。
『痩せたい』と『痩せてなければならない』は違います。
『痩せてなければならない』は『太っていてはいけない』の裏返しです。
太りたくない、太っていてはならない、太ったらどうしよう、という太ることへの恐怖心が無意識の中心に据えられています。
また人によっては『痩せてなくてはならない』は強いプレッシャーを生み出します。
無意識そうに『何をやってもうまくゆかない』『きっと私は失敗する』のようなプログラムがセットされている場合は強大なプレッシャーを作り出すことになります。
そしてそのプレッシャーによって潰されます。
したがって強すぎる痩せたい願望は望みと反対側に自分を導きます。
リバウンドというまるで反対の結果を引き起こします。
考えてみてください。
食べ過ぎを続けながらダイエットするということは非常に難しい行為となります。
逆に食べ過ぎをしないでするダイエットは簡単です。
それは当たり前のことなのです。
ここに来て痩せることへの強すぎる執着を手放した人は過食が改善されていきます。
そして過食が治れば簡単にダイエットに成功します。
当然です。
ここで適切なダイエット方法も身に着けていくわけですから。
感情的な恐れやこだわりはなかなか手放すことが難しいことはよくわかります。
多くの人をサポートしてきましたから大きな抵抗があることもわかります。
しかし、難しいことは承知のうえで、あえて言わせてください。
一度足を止めて振り返ってみてください。
そして考えてみてください。
痩せることにこだわり過ぎて結果的に反対のことばかりしてしまうことが目的ですか?
それとも反動を失くした状態で健康的に効率的に痩せることが目的ですか?
成果を望むなら、感情に執着することをやめてみることも必要です。
その選択をできることが場合によっては望む成果を手にする効率的方法となります。