母親との関係性が摂食障害や過食症の原因となることがあります。

過食の原因と仕組み。止まらないむちゃ食いを止めるために。

衝動の奥イメージイラスト

摂食障害や過食症の奥に隠された母親へのアピール

摂食障害が幼少期の母親との関係に大きく影響されている…
よく聞く話です。

そしてそれは本当のことだと思います。
もちろん誰もがそうだというのではありません。
しかし、母親との関係が現れていることは非常に多いと思われます。
実際に母親がらみのトラウマや母親との関係を見直すことで過食を止められた人を多数みてきました。

 

それはなぜか?
幼少期の自分にとって母親とは…
保護者であって、安心であって、温もりであって、食べ物でもあるからです。
母親=おっぱい=食べ物でもあるからです。


そして母親は「世界で最も大切な私を愛してくれる人」でした。

もちろん成長してからの自分にとって他の人のほうが大事という人もいます。
けれど幼少期に自分のベースとなる観念や思考パターンが作られた当時。
最も愛し愛された実感を持って接していたのはほとんどの場合母親です。
この世で初めての食べ物であり愛してくれた存在。
それは多くの人の無意識層に刷り込まれた思考パターンとして否定しようのない事実です。

 

拒食症・過食症や摂食障害の奥に隠された本当の原因が、母親への無意識的メッセージである場合もあるということです。

 

母親への反抗と憎しみから拒食症になったり極端な偏食になったりしている人も見てきました。

母親への依存から拒食症や過食症になっている人も見てきました。

そのどちらもが無意識的な母親へのアピールとしての現れ=摂食障害です。

 

よく姉妹で摂食障害で苦しんでいる人達がいます。
どちらかが最初になって、そして気がつくともうひとりも摂食障害。

何故でしょうか?
DNAの問題でしょうか。


違います。
こういった場合は母親からの注目の奪い合いである可能性があります。

え~~~っ!だって私はお姉ちゃん(妹)と仲がいいのに…
っと否定される人もいると思います。
でも、よく考えてみてください。
今は仲良くっても…幼い頃から仲良しでも、
本当の幼少期は兄弟姉妹はライバルだったことに気づきますか?

それが現れたパターンが姉妹で摂食障害になるという場合です。
男性の兄弟の場合は男性はあまり摂食障害にはなりません。
男性は女性ほど体型にこだわらないからと考えられます。
この場合は女性だけが過食や拒食などに苦しむことが多いです。
男性に現れる場合は気分障害や非行など違う表現となるようです。

母親の注目を集める手段としての拒食症や過食症

兄弟姉妹はこの世で最初に出会うライバルです。
お母さんやお父さんの愛情という注目を奪い合う。
ある日突然にそれまでの私の居場所…お母さんやお父さんのヒザの上や胸の中を奪い合うライバルだったと思いませんか?

それが大人になった今でも潜在意識において続いている場合があります。


もっと私を心配して。
もっと私に注目して。
もっと私を愛してほしい…という場合もありますし、
どうして私のことももっと愛してくれなかったの?
という怒りを伴った主張が隠されている場合もあります。

 

幼いころを思い出せば誰にでも経験があると思います。

風をひいたり熱を出した時に、普段より優しくされたりしませんでしたか?

普段は嫌といっても許されなかった習い事や学校を休んでもいいよと言われませんでしたか?

他の兄弟に比べて特別に面倒を見てもらいませんでしたか?

 

そういった幼少期の経験によって無意識下に作られた観念があります。

その観念が母親からの愛情や注目を得ようとして病気や苦しみを創り出すことも起こり得ます。

過食症や拒食症に代表される摂食障害もそういった材料とされやすい病気といえます。

 

過食症は自分でやめるしかありません。
摂食障害からは自立するしかありません。

 

自分の幼少期の母親との関係を見直してみることもヒントになる場合があります。
自立には幼少期の自分からの卒業が必要です。

 

 

過食という名の無意識下でのコミュニケーション

過食症や拒食症にはそれがひとつのコミュニケーションであるという側面があります。


「えっ…そんな馬鹿な」 そんなふうに思われる人も多いと思います。
「誰にも知られないようにしているんだから、そんなことはありえない」

そう思う人もたくさんいると思います。

けれど、
やっぱり…

過食にはコミュニケーションとしての側面が存在しています。


無意識が誰かに向けたアピールかもしれません。
無意識が自分に向けたメッセージかもしれません。
無意識においてパターン化されてしまったコミュニケーション方法である可能性があります。

他人の目が気になる。
他人の評価が気にかかる。
他人の期待に応えようとしてしまう。

そういったことに必要以上に縛られてしまうと人はストレスが溜まります。
そしてそれは過食衝動にもつながる場合があります。

言い換えればそれは表現できなかった自分の想いかもしれません。
他人を気にするあまり自己表現されないままに抑圧された自分からのメッセージかもしれません。

もしかするとそれは他の誰か…

母親や恋人への無言のメッセージ、アピールであるかもしれません。
苦しんでいる自分をわかってほしい、理解してほしいというメッセージなのかもしれません。


無意識は頭とは別にコミュニケーションを取り続けています。

表面的に口にしている言葉とはまるで違ったことを訴えている人はたくさんいます。
誰にでも言っていることと矛盾する行動をしていることがよくあります。

本人に嘘をついているつもりはありません。
けして悪気があるわけではないのです。
本人も気づいていないのです。
本人さえ騙されているかもしれません。
自分自身に。

注意して自分や他人を観察しているとわかってくることがあります。
それは、

人間は表面的に言っていることがけして本当の意図であるとは限らないということです。


本人さえ気づかない秘められた想いを身体が表現する場合があります。
それを病気と呼びます。

抑圧された感情や欲求が行動や行為に表現されることがあります。
それが過食症や拒食症そして過食嘔吐やうつ病の場合もあります。

過食症の奥に隠された、
無意識下に抑圧された、
そういった想いを受け取ってあげる必要があります。

過食や過食嘔吐というコミュニケーション手段を別の方法に替えてあげる必要があります。

一度自分を見つめ直してみてください。

私は何を訴えようとしているのか?
私は誰に訴えようとしているのか?
私は何を望んで何を嫌がっているのか…

過食症や摂食障害の奥に隠された自分自身気づかなかった想いを感じてあげてみてください。

それに気づきだすことが過食症を改善する大きな一歩となり得ます。

それに気づいて奥底の想いに応えてあげてゆくことが過食を止める重要な一手となります。

何をどうしてよいかが理解できないうちは有効な手立てを取ることができません。
しかし、奥底で起きていることが明確になればまるで違ってきます。

焦点を絞った対策が取れます。
それを解決するための適切な方法が選択できます。

是非振り返ってみてください。
食べることや痩せることに囚われすぎないで。
隠されたコミュニケーションとしての可能性を探ってみてください。

その奥で置き去りにされている自分自身のために。