求めるものは何ですか?過食すること?嘔吐すること?それとも…
過食衝動から開放されていった人達がいます。
過食症や拒食そして過食嘔吐から自由になった人達です。
ある人は13年間毎日々、1日もかかさずに吐き続けてきました。
ある人は28年間過食嘔吐とうつ病で苦しんできました。
しかし今はもう吐くことはありません。
過食も嘔吐もせずに健康的な食生活を楽しんでいます。
ある人は毎夜々無意識になって、毎朝目覚めると部屋中に食べ散らかした食物の残骸。
一切の記憶なしに動く自分がどうなってしまうのか怯え続けてきました。
しかし今は意識を失うこともなく、食べることを楽しんでいます。
ある人は毎日45リットルのポリ袋3~4杯分を食べて吐いての繰り返し…
しかし今は一切の過食衝動はありません。
病院やさまざまな施設でどうしてもやめることのできなかった人が過食や嘔吐の衝動を手放していきました。
多くのそういった人達をみてきました。
しかし、なかなか過食や嘔吐の衝動を手放せない人がいることも事実です。
いったんやめられたと思っても、時間がたつと衝動が繰り返される人もいます。
延々と続く過食と拒食の繰り返し。
食べては吐いて、食べては出しての過食嘔吐スパイラル。
何がそれを分けているのでしょうか?
重度の過食や過食嘔吐は単に習慣だけの問題ではありません。
肉体的欲求でもありません。
脳の中の回路、それは無意識下におけるプログラム=思考ネットワークの問題です。
新皮質にあたる部分の理性を司る回路異常とでもいうべきことが起きています。
そうすると感情や情動に対するふんばりがきかなくなります。
衝動に振り回されやすくなってしまいます。
やめたいと思いながら、やめられない。
したくないと思いながら、またやってしまう。
そうして、後悔と自己嫌悪の果てしないループへとはまり込みます。
過食嘔吐の場合にはいつの間にか吐かなければ気がすまない…
吐くことが目的で過食を繰り返すというパターンにはまり込んでいる人もいます。
思考回路の中に混ざりこんだ異常な回路=適切でない思考パターン…
それは主にトラウマや間違った信念などが原因となって作られたプログラムパターンです。
表面の自我意識にはそれを知覚することは非常に困難です。
まるで何人もの自分に振り回されているような気になります。
まず必要なことは適切な理解です。
そしてそれを止めようというしっかりとした意志です。
絶対に過食や過食嘔吐をしないということではありません。
仮に過食することがあっても、その奥にある抑圧された感情から逃げないという強い想い。
あきらめや自己嫌悪に逃避してしまわない強い意志です。
今自分が何を目的としているのかという明確な意図が必要です。
わかりやすく言うと、何が最優先されているのか?
過食をやめることなのか。
それとも果てのない痩せたい願望や他の欲求なのか。
自分は絶対に過食をとめる。
過食衝動から自由になる。
まずは、健康的な自分を取り戻す。
そう思えるかどうか。
過食症や過食嘔吐の奥にあるものから目を背けない
過食衝動の根本に隠れているものにはコンプレックスや無価値感などがあります。
それは自分自身では見たくないものであることが多いです。
過食が何かからの逃げ道や理由づけになっていることが多々あります。
過食嘔吐が自分が密かに抱いている罪悪感のはけ口であることが多々あります。
それらはすべて自分自身が眼をそむけてしまいたかったことです。
だから、それを見つめようとすることは恐怖心に立ち向かうことでもあります。
その途中には辛いこともあるかもしれません。
それでも自分から逃げない。
そんな強い決意が必要な時もあります。
過食症や過食嘔吐というのはある種の依存症でもあります。
やっかいなのは生きてゆく以上、食べることをやめることはできないということです。
これがアルコールや薬物であれば完全に断つことも可能です。
しかし食べるという行為は絶対に必要な行為です。
完全に自分から切り離すことはできないことです。
だからこそ前向きに食べることに取り組む必要があります。
食べることを否定していては。
食べることから逃げていては解決できない問題です。
過食をやめて正しいダイエットをすれば間違いなく痩せます。
無理に吐くことで痩せようとする必要など微塵もありません。
体調も整ってゆくと思います。
しかし、過食を断つためには自分自身を謙虚に見つめなおすことは必要です。
自分自身から目をそむけないことが必要不可欠です。
その決意と覚悟が、過食をやめられる人とやめられない人をわけます。
重度の過食症や過食嘔吐はストレス喰いとは根本的に違います。
まずは過食衝動とは何かということを知ってください。
そして、どうやったらそれがやめられるかを学習してみてください。
そしてまずは、それをやめることを優先してください。
自分でやめられます。
だって過食をしているのは自分自身なのですから。
人は自分が何をしているのかに根本から気づいて時にそこから自由になります。